脊柱とは背骨のことで、32~34個の脊椎で構成されています。
脊柱は全体がS字状になっていて、脊柱の後ろには脊柱管が通っています。
脊柱間の中には血液や脊髄と呼ばれる神経が通っていますが、背骨のゆがみなどで脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることで、痛みやしびれが生じます。
これが脊柱管狭窄症です。
脊柱管狭窄症は、脊柱管の周りの組織が変形して、脊柱管を圧迫することによって起こるものです。
主に加齢によるものですが、長時間の座業や力仕事、悪い姿勢などによっても起きることがあります。
脊柱管狭窄症は脊柱管のどの部分の脊椎が圧迫されるかによって3種類に分かれます。
脳の下部から脊髄が出ていますが、脊髄の根本の部分が圧迫されるものは神経根型です。
神経根型の場合には腰、臀部、太腿、ふくらはぎそして足の裏がしびれたり痛んだりします。
また、腰を反ると痛みが増します。馬尾型と呼ばれるタイプは、脊髄の先端部の細い神経の束が圧迫されて症状が出るものです。
このタイプの場合は、両方の脚がしびれ、頻尿になります。また排尿しても残尿感があり、便秘になることもあります。
3つ目は混合型で、神経根型と馬尾型の症状が両方見られるタイプです。
脊柱管狭窄症になると、しばらく歩くと脚に痺れや痛みが出てきて休むと治るという、間欠性跛行(かんけつはこう)という症状も出ます。
脊柱管狭窄症の方にとって精神的なストレスは病状を悪化させる原因になります。
脊柱管狭窄症の手術が成功しても、精神的なストレスを感じている人はストレスをあまり感じてない人よりも術後の経過が思わしくないということが良くあります。
ですから、なるべく前向きな考え方をして気持ちをリラックスさせることが必要です。
また、脊柱管狭窄症の方が、適度な運動をするという目的でエアロバイクを使用することがありますが、座り方が悪かったり、長時間使用している症状を悪化させてしまう原因になります。
さらに、腰に痛みがある時は痛みを和らげようとしてひねったり、反らせたりしてしまうものですが、このような動作は脊柱管狭窄症を悪化させます。
深く前に曲げる動作も同様に症状を重くしてしまいます。
脊柱管狭窄症の症状の1つである間欠性跛行は、閉塞動脈硬化症の場合も同様に起こります。
この病気は足の血管の動脈硬化により、血管が詰まったり細くなったりして血行が悪くなって起きる病気です。
脊柱管狭窄症であれば、しゃがむか、前かがみになって座って休むとまた歩けるようになりますが、閉塞動脈硬化症の場合は姿勢に関係なく立ったまま休んでも回復します。
また、脊柱管狭窄症で、腰椎すべり症や椎間板ヘルニアを併発している人もいます。
腰椎椎間板ヘルニアの場合は、特にお尻や太ももの裏側に慢性的な痛みがあるものです。脊柱管狭窄症が体を反らすことによって痛みが増すのに対し、腰椎椎間板ヘルニアは前かがみになると痛みが増します。
腰椎すべり症は腰椎が前方にすべり出す病気で、これによって神経が圧迫される症状です。
症状がひどくなると脊柱管狭窄症につながりますから、脊柱管狭窄症の原因が腰椎すべり症である場合は、まず腰椎を元の位置に戻す施術を受ける必要があります。
当院の脊柱管狭窄症の施術方法は下肢から腰部にかけての痛みやしびれが強いところへのトリガー施術、股関節周囲、腰部多裂筋など骨盤周囲の筋肉を緩めます。
そして、腰仙関節部、胸腰椎移行部、仙腸関節部、恥骨部に矯正を行うことで症状は緩解されていきます。
病院の治療では、薬物療法。改善が見込めないなら手術となります。
薬物療法では、血流を改善するプロスタグランジンE1という飲み薬が処方されます。
神経根型であれば3か月ほどで症状が改善すると言われています。
馬尾型のしびれの治療として使用されるのはプレガバリンです。
非ステロイド性消炎鎮痛薬が、神経根型の痛みに対処するために用いられることもあります。
歩行が困難なほどの痛みがある場合は、局所麻酔薬を注射して神経ブロックし痛みを軽減する場合も見られます。
神経根型では、痛みで通常の活動ができない場合に、神経を圧迫している部分の骨を取り除く手術が行なわれます。
馬尾型で薬でも改善されない場合は手術が選択肢に入ります。
ただし、手術は最終手段でいいでしょう。
日常生活では前向きに、姿勢に気を付け、できるだけ大股で歩くよう心がけましょう。
姿勢を正すのが、どうしてもつらい場合は手押し車を使うとラクに歩くことができます。
歩くのがつらく、不安ですが少しでも日々、で歩くように心がけましょう。
また、施術プラス自宅でのセルフ対処法として痛いポイントへのトリガー施術が有効です。
脊柱管狭窄症でお困りの方は、ぜひ当院へお問い合わせください。
きっと、あなたのお役に立つことでしょう。
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